Munch家庭のキッチン管理

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停電時、冷蔵庫の食品はどれくらい安全に保たれるのか

結論から言うと、扉を閉じたままの冷蔵庫は、庫内の温度がだいたい四時間は安全な範囲にとどまる。冷凍庫は、庫内がぎっしり詰まっていて扉も閉じたままなら、安全な温度をだいたい二日は保てる——半分程度しか入っていなければ、この数字はおおよそ半分、一日ほどまで縮む。台風や地震で電気が止まるたびに気になるこの二つの数字は、「停電が何時間続いたか」よりもずっと重要だ。結果を実際に左右する一番の変数は、停電の長さそのものではなく、その間に扉が何回開いたかだからだ。

時計そのものより扉の開閉が効く理由

電気が止まった冷蔵庫は、冷気が急に消えるから温まるわけではない。冷たい空気は室温の空気より重いので、扉を開けるたびに底に溜まっていた冷気が床のほうへ流れ出し、代わりに暖かい空気が入り込む。断熱材に包まれ、瓶や紙パック、野菜といった「冷たい塊」で満たされている閉じたままの冷蔵庫は、温度がゆっくりとしか下がらず、自然に安全な範囲を外れるまでほぼ丸一日近くかかることも珍しくない。ところが二十分おきに様子を見ようと扉を開けていると、同じ冷蔵庫でも一時間ほどでデンジャーゾーンに入ってしまうことがある。扉を開けるたびに、あの四時間の持ち分を前倒しで使ってしまっているからだ。四時間という数字は、扉が閉まったままだという前提の上に成り立っている。停電そのものより、扉をどれだけ開けずに済ませられるかのほうが、あなた自身でコントロールできる部分だと考えたほうがいい。

冷蔵庫側の目安:だいたい四時間

冷蔵庫は通常4℃以下で運転されていて、これが食品衛生ガイドラインの言う「安全な範囲」の上限にあたる。それを超えると、冷蔵庫の中の食品は、台所のカウンターに出しっぱなしにした食品を左右するのと同じ「デンジャーゾーン」——食中毒の原因菌がもっとも速く増える温度帯——に置かれていることになる。停電した冷蔵庫はこのルールの例外ではなく、「食品を室温に出しっぱなしにする」という状況をスローモーションで再現しているにすぎない。庫内温度が実際にその線を越えた時点で、四時間の持ち分を消費し始める、という意味では同じで、扉がしっかり閉まっていて中身も詰まっている冷蔵庫ほど、その線を越えるまでに時間がかかる。

冷凍庫側の目安:どれだけ詰まっているかで決まる

冷凍庫はまったく違う振る舞いをする。凍った食品はただの「荷物」ではなく、それ自体が蓄冷材の役目を果たすからだ。庫内がいっぱいの冷凍庫は、実質的には大きな氷の塊のようなもので、すみずみまで冷たく、量が多いぶん温まるのに時間がかかる。扉を閉じたままなら、いっぱいの冷凍庫はだいたい48時間は安全な温度を保てる。半分しか入っていない冷凍庫は、味方につけられる「冷たい塊」の量も半分になるので、24時間程度が目安になる。冷凍庫に余裕があるうちに、水を入れた容器を凍らせてすき間を埋めておくのが地味に効くのはこのためだ——庫内が詰まっているほど温まりにくいという原則は、中身が食品でも氷でも変わらない。

停電中に実際にできること

  • 扉を開ける前に、何を取り出すか決めておく。 様子を見るために何度も開け閉めするのではなく、一回でまとめて済ませる。扉を開けるたびに、あの四時間の持ち分を直接使ってしまっている。
  • 冷凍庫は閉じたまま、できるだけ詰めておく。 半分しか入っていないなら、中身を中央に寄せて固めておくと、互いの冷たさを保ち合いやすくなる。庫内に空気の隙間が多い冷凍庫ほど、温度は速く上がる。
  • 時刻を記録するか、温度計があれば読み取っておく。 冷蔵庫・冷凍庫に置いた普通の温度計は、見ていない間に何が起きたかを本当に信頼できる形で教えてくれる、数少ない手段だ。後から記憶で組み立てた推測は、それに比べると心もとない。
  • 頻繁に取り出すもの——飲み物や子ども用のおやつなど——は別のクーラーボックスに氷と一緒に入れておく。 そうすれば冷蔵庫本体の扉は、それ以外のもののためにずっと閉じたままにできる。

電気が戻ってからの判断のしかた

照明が数分だけ点滅したのと、一晩じゅう停電していたのとでは、まったく別の出来事だ。この違いは後から記憶で推測するのではなく、実際に記録しておく価値がある。冷蔵庫に温度計を入れていたなら、電気が戻った瞬間の数値がもっとも信頼できる手がかりになる。食品がまだ4℃以下であれば、停電が時計の上で何時間続いたかにかかわらず、実質的にデンジャーゾーンで過ごした時間はごくわずかだったということになる。温度計がない場合、正直なところ頼れるのは停電の実際の長さを、先に挙げた四時間・48時間という数字と照らし合わせることだけで、食品の見た目や匂いを基準にするべきではない。台所のカウンターに出しっぱなしにした食品と同じで、これは感覚がふだんよりずっとあてにならない場面のひとつだ。食中毒との結びつきが強い菌は、匂いや見た目で前もって知らせてくれるとは限らないので、「見た目は普通」は牛乳の「見た目は普通」とはまったく別の意味を持つ。標準的な衛生ガイドラインが、こうした判断のつかないケースについてはっきり物を言うのはこのためだ——冷蔵庫や冷凍庫が十分に低い温度を十分な時間保っていたと確信が持てないときは、味見して確かめるのではなく、その食品を安全ではないものとして扱うべきだとされている。

比較的もちこたえるもの、そうでないもの

停電に強い食品も確かにある。ハードチーズ、バター、たいていの調味料、切っていない丸ごとの野菜や果物、パンなどは、もっともリスクの高いカテゴリーには入らず、今回の停電の事情よりも、それぞれ自体の性質で判断してよいことが多い。一方、生の肉・鶏肉・魚介、開封済みの乳製品、切った野菜や果物、すでに調理して冷蔵庫で冷ましている最中のものは、逆の端に位置する。これらは停電が起きる前から、もともとの安全な期限にかなり近いところにいたわけで、停電はその時計をゼロに戻してくれるわけではなく、むしろ速く進めてしまう。この点は、その場では見落としやすい。もともと猶予が残り一日しかなかった食品が、今回たまたま冷蔵庫の扉がずっと閉まっていたからといって、自動的に大目に見てもらえるわけではない。

停電のあとで実際にいちばん再現しづらいのは、停電が何時間続いたかそのものよりも、電気が止まったその瞬間、冷蔵庫の中に何がどれだけの日数入っていたかのほうだ。Munchは冷蔵庫・冷凍庫・パントリーに記録したそれぞれの食材について、いつ入れたかという日付を保持していて、家族の誰が見ても同じ記録が見える。だから電気が戻ったあとに答えるべきなのは、どの棚に何があったかという記憶をつなぎ合わせた推測ではなく、停電の長さと照らし合わせられる、実際のリストになる。

これは何も、本格的な防災マニュアルを新しく覚え込むような話ではない。実際に効く習慣はどれも小さく、たいていは「いちばん我慢しづらい瞬間に、あえて何もしない」ことに尽きる。様子を見るためだけに扉を開けないこと、そして本当に判断がつかないときは、味見して確かめる理由にするのではなく、手放す理由にすることだ。