なぜまとめ買いは食品ロスにつながりやすいのか
結論から言うと、大容量パックの単価が安いのは値札に書いてあるとおりの事実だ。ただ、その安さが実際の得になるかどうかは、傷む前に全部食べきれるかという、まったく別の話にかかっている。この後半部分は事実ではなく賭けで、しかもほとんどの人はこの賭けが妥当かどうかを、買い物かごに入れる前に確かめたりはしない。トイレットペーパーやトマト缶、米のように傷まないものなら、この賭けはほぼノーリスクだ。何かと競争しているタイムリミットがないからだ。でも生鮮食品となると話は別で、ここが勝負のすべてであり、単価表示がいちばん教えてくれない部分でもある。
値札の掛け算は、順序が逆になっている
大容量パックの単価は、全部食べきるという前提から逆算して出されている。鶏もも肉5キロをキロ単価で安く買うのは、1キロを定価で買うより確かに安い——ただし、5キロ全部が実際に調理される場合に限っての話だ。使いきれずに一部でも傷んでゴミ箱行きになった瞬間、この計算はひっくり返る。失っているのはその一部だけではなく、パック全体で得られるはずだった割引そのものだ。なぜならその「お得さ」は、最初から「全部使い切る」という予測にすぎず、「実際に食べた一食あたりいくらだったか」という事実ではなかったからだ。食品を捨てる瞬間に、この二回目の計算をやり直す人はまずいない。レジで会計を済ませた時点でのお得感がすでに確定した事実のように感じられてしまい、ゴミ箱に捨てる段階でその感覚が検証されることはない。
割引はキロ単位、一週間の食事は一食単位で決まる
まとめ買いの価格設定は、同じものを一度にたくさん買うことに報酬を与える。でも家庭の実際の食事には変化が必要で、これはまとめ買いがいちばん苦手とすることだ。鶏もも肉5キロは、5キロ分の自由度ではない。ひとつの食材が、傷む前に飽きられないだけの数と間隔で、いくつも違う献立に登場しなければならないという縛りでもある。小さな買い物を10回に分ければ、自然と10通りの違う献立が生まれる。大きな買い物を3回にまとめると、だいたい同じタイミングで使い切らなければならない食材が3つでき、同じ週の限られた献立の枠を取り合うことになる。
冷凍庫は安全弁のように見えて、そうなっていないことが多い
生鮮食品をまとめ買いしたときの、いちばん正直な計画はたいてい「今週食べきれない分は冷凍しておく」というものだ。この計画は理屈のうえでは間違っていないのに、実際にはよく静かに機能しなくなる。原因は意志の弱さではなく、もっと単純なことだ。冷凍庫は冷蔵庫よりも、中身を思い出しにくい場所だからだ。冷蔵庫は毎日開けて中を見る。冷凍した小分けの塊は、上に乗っている一袋だけ取り出され、その下にあるものは何か月も視界から消えたままになる。まとめ買いした食材は、冷凍した瞬間に無駄になったわけではない。見えなくなった瞬間に無駄になっていて、そのふたつはたいてい同じ日に起きている。
同じものをたくさん買うと、増えるのは食材の量だけではない
ひとつのパックなら、覚えておくべきことも一つで済む。まとめ買いは、それを同じ日に買った複数の単位に置き換える。開封する日も違えば、家族の誰がどのくらいの速さで消費するかも違う——これは「牛乳がある」というのを覚えているのとは比べものにならないくらい面倒なことなのに、買い物かごの中を見ているときは、同じひとつの購入判断をしただけのように見えてしまう。まとめ買いのなかで実際に傷むのは、たいてい最初に開けたものではない。ほかのものと同じ日に買われて、きょうだいたちに棚の手前を占領されるうちに奥へ押しやられていった、後回しの一つであることが多い。
実際に結果を変えるもの
まとめ買いそのものが間違いというわけではない。傷む心配のないものなら、ほとんど純粋な得だ。買い物かごに入れる前に正直に考える価値があるのは、「いつか使うだろうか」という漠然とした問いではなく、もっと具体的な問いだ。「この日に買ったこの数量が、今すでに冷蔵庫にあって同じ献立の枠を取り合っているものを踏まえたうえで、最初の一つが傷む前に本当になくなるだろうか」。この問いにはたいてい確かな答えがあり、しかも事前にわかることが多い。ただし、それには単価表示だけを見て頭のなかでざっくり計算するのではなく、実際に冷蔵庫の中を見る必要がある。
ここが、冷蔵庫の中身を記録することが本当に役に立つ部分だ。まとめ買いをやめさせるためではなく、同じものを5キロ買おうとする前に、今週はすでに別の食材で3食分の献立が埋まっていることをはっきりさせるためだ。Munchでは持ち帰った一まとまり(バッチ)ごとに、数量、保管場所、いつまでに使うべきかを記録でき、それは冷蔵・冷凍・常温のどこであっても家族全員で共有される。これによって、まとめ買いは冷凍庫に入れた瞬間に見えなくなる一回の購入としてではなく、共有リスト上の5つの独立した分量として残る。
大容量パックで浮くお金は、確かに実在する計算だ。ただしその計算が本当に成立するのは、残りの一週間の献立が実際にそれを中心に組み立てられている場合に限られる——そして、何を中心に組み立てているのかさえ見えていれば、それは思っているよりずっと小さな要求で済む。