Munch家庭のキッチン管理

ホーム / ガイド

冷蔵庫で、なぜ新しく買ったものから先に食べてしまうのか

たいていの冷蔵庫を開けてみると、いちばん手前にあって、何も動かさずにすぐ取れる牛乳パックや野菜の袋は、賞味期限が近いものではなく、たいてい今週買ってきたばかりのもののほうです。これは冷蔵庫の使い方として本来あべこべなのですが、誰かがだらしないからではありません。買い物をすることと、それを冷蔵庫にしまうことは、実はまったく別の作業で、家では後者がほとんど誰の手にも渡っていないのです。

スーパーがやっていて、家では誰もやっていないこと

どのスーパーの倉庫にも、単純なルールがあります。新しく届いた在庫は、古い在庫の後ろに置く、というものです。品出しをする店員は、新しい牛乳をただ棚に積み上げたりはしません。すでに棚にあるものを手前に引き出してから、新しいものをいちばん奥に差し込みます。こうしておけば、買い物客が手を伸ばしたとき、何も考えなくても自然といちばん古いものから取れるようになっています。これは「先入れ先出し」と呼ばれる、地味だけれど誰かが専任で担っている作業です。

家にはその役目を引き受ける人がいません。買ってきたものを片づけるいちばん早い方法は、いちばん手が届きやすい場所――たいていは棚の手前、冷蔵庫の扉に近いところに置くことです。古いものはそのために奥へ動かされるわけではなく、ただ先週より一列奥に押しやられ、次に買い物から帰ってくれば、さらにもう一列奥へ押しやられます。誰かが意図してそうしているわけではなく、「そのとき置きやすい場所に置く」というルールだけが積み重なった結果、自然とそうなるのです。

決めているのは日付ではなく、手が届くかどうか

冷蔵庫の扉を開けている数秒間、頭の中で中身の賞味期限を一つひとつ確認したりはしません。目に入って、手が届くものに、そのまま手が伸びます。これは注意力が足りないからではなく、扉を開けたまま冷気が漏れていく短い時間の中で、そもそも素早く決めるしかない選択だからです。手前にあるものは、この選択において最初から有利で、そして前段で見た理由から、手前にあるものはたいてい新しく買ったもののほうなのです。

もう一つ、同じ方向に働く力があります。買ったばかりの食材は、見た目にも実際にみずみずしく感じられます。ほうれん草の袋はまだぱんと張っていて、ヨーグルトのふたには開封前の光沢が残っています。奥にあるものはまだ十分食べられる状態でも、パッと見ではどうしても見劣りしてしまいます。この小さな印象の差が、もともと軽い気持ちで下していた選択を「新しいほうを取る」方向へさらに後押しし、奥のものはまた一回、食べられるかどうかとは関係のない理由で見送られます。

買い物のかぶりとも、根っこは同じ

これは、同じものを二つ買ってしまうという問題と無関係ではありません。開封済みのマスタードの瓶が新しい瓶の後ろに隠れていたり、半分使った袋の口を折って端に押しやったりすると、それは「今夜何を食べるか」を考えるときに目に入るものではなくなり、店の棚の前で「これは買わなくていい」と思い出す材料にもならなくなります。永久に忘れ去られる必要はなく、二週間ほど視界から消えているだけで、二個目が家に入ってくるには十分なのです。

本当に効く対策

いちばん素直な対策――買い物のたびに、スーパーのように棚を手作業で入れ替える――は、一週間も続けば力尽きてしまう類いの家事です。夕方六時、買い物袋を両手にぶら下げた状態で、そこまで手をかける余力は普通ありません。

本当に効くのは、棚を自分の手で並べ替えることではなく、手を伸ばす前に、家に何がどれだけ前からあるかを知っておくことです。そうすれば、頭の中でも新しく買ったものだけが記憶に残る、という状態にならずに済みます。Munch が埋めようとしているのは、まさにこの部分です。食材を持ち帰った日ごとに記録しておき、今夜何が作れるかをまとめるときには、たまたま手前にあるものではなく、いちばん前から家にあるものから提示します。冷蔵庫そのものに棚を入れ替える仕組みはなくても、今夜何を食べるかを決めるときには、手前の一列だけでなく、棚全体を見て判断できるようになります。