Munch家庭のキッチン管理

ホーム / ガイド

空腹で買い物に行くと、なぜ食品ロスにつながりやすいのか

「お腹が空いた状態で買い物に行かない」というのは昔からある助言ですが、たいていは我慢強さの問題として受け取られています——レジ前でお菓子の誘惑に勝てるかどうか、それだけの話だと。でもそれでは、空腹が実際にしていることを見落としてしまいます。空腹はおいしそうなものへの誘惑を強くするだけではありません。売り場を歩いているあいだに頭の中で答えている質問そのものを、「今週の食事に何が必要か」から「今、何を食べたら満足するか」にすり替えてしまうのです。そして後者の質問で埋まったカゴは、前者が本来組み立てるはずだった献立とはめったに一致しません。

空腹だと、なんでもよく見える

よく言われるのは、空腹だとジャンクフードがおいしそうに見えるという話ですが、それは半分でしかありません。空腹は食べ物全般への魅力を底上げします。ローストチキンも、パン売り場も、買うつもりのなかった袋入りのオレンジも、満腹のときより空腹のときのほうがどれも少し魅力的に見えます。カゴに入れたその瞬間、どれも単体では特に不合理には見えません。問題が表に出るのはあとになってからで、それぞれは理にかなって見えた思いつきの買い物が、いくつか集まっても、結局作るつもりだった献立には少しもつながっていない、ということが起きます。

空腹は「今週」の感覚も縮めてしまう

満腹なら一週間単位で考えやすいものです。火曜日は何を作るか、木曜日までに使い切りたいものは何か、今回買わなくても次の買い物まで待てるものは何か。空腹になると、この時間の幅は一気に縮み、次の食事、時には次の二十分先までしか見えなくなります。すぐに食欲を満たしてくれるものが、頭の中の優先順位で前に押し出され、もう一品か二品手間をかけないと献立にならない食材より先に選ばれます。だから空腹での買い物は、その日のうちに食べきってしまえるものに偏りがちで、実際に一食を完成させるために必要だった食材のほうが抜け落ちる——買い物をしているそのときに、「今週」というスケールが視界にまったく入っていなかったからです。

それが具体的にロスになる理由

「今おいしそうに見えたから」という理由だけで買ったものは、最初から特定の献立やレシピと結びついていません。結びついているのはそのときの食欲であり、たいていその商品自体が一時間もあればその食欲を満たしてしまいます。その一時間が過ぎると、その商品は冷蔵庫にすでにあるほかのすべてと、献立の中の居場所を奪い合うことになります。そして負けることが多いのです。買った時点で、どう使うかがまったく考えられていないからです。空腹のまま帰り道に買ったローストチキンは、その場ですぐ食べきられて役目を終えるか、どの献立にも組み込まれないまま置かれ続けて、食べる価値がなくなっていくかのどちらかです。

空腹は、ふだん多くの人が頼りにしているちょっとした確認も、あてにならなくします。家にすでにあるかどうかを判断するには、棚の様子を思い浮かべ、残量を見積もるという、ある程度意識的な思考が必要です。ところがこれこそ、「お腹が空いた、これおいしそう」という感覚に一番押しのけられやすい種類の思考です。だから空腹での買い物は、献立に合わないものを持ち帰りやすいだけでなく、冷蔵庫のドアポケットにすでにあるものと同じ調味料を、もう一本買ってしまうことにもつながりやすいのです。

先に何か食べておくのは効果があるが、半分だけ

買い物の前に何か食べておくのは、実際に効果のある方法です。狙っている仕組みにきちんと効きます。食べ物全般への魅力が下がるので、つい手に取りたくなるものが減り、次の食事ではなく一週間というスケールで考える余裕も戻ってきます。ただし、それが教えてくれないことがひとつあります。今、家の冷蔵庫に何があるか、です。満腹で買い物に行けば、より落ち着いて選べるようにはなりますが、より正確な情報を持って選べるようになるわけではありません。空腹をまったく感じていない状態で店に入っても、家にすでに二個あるものの三個目を買って帰ることは十分起こり得ます。この失敗は、そもそも食欲の問題ではなく、売り場に立った瞬間に家の状態を知らなかった、という問題だからです。

ここを埋めるのが Munch のもう半分の役割です。冷蔵庫、冷凍庫、パントリーの中身が一つの共有された記録として管理され、家族の誰かが追加したり使ったりするたびに更新されるので、「これ、家にもうあったかな」を確かめるのは、疲れて急いでいる、あるいは空腹な状態のまま記憶を頼りに推測することではなく、売り場でスマホを数秒見るだけの作業になります。そのローストチキンが今週の献立に合うかどうかまでは判断してくれませんが、空腹な頭がいちばん正直に答えられなくなる質問——本当にこれが必要か——には、代わりに答えてくれます。

空腹で買い物に行かない、というのは本当に役に立つ助言です。ただしそれは食欲の側の問題を解決するだけで、記憶の側の問題はそのまま残ります。両方をきちんと解決するには、我慢強さを鍛えるより、疲れて空腹な頭に、今おいしそうに見えるものを判断する仕事と、家の棚に何が置いてあるかを思い出す仕事の、二つを同時にやらせないことのほうが近道です。この二つを、前者だけをやりやすくするように作られた売り場の中で、同じ五分間に両方こなすのは、そもそも無理があります。