Munch家庭のキッチン管理

ホーム / ガイド

缶詰はあんなに長くもつのに、なぜ賞味期限が印刷されているのか

結論から。密封された缶に印刷されている賞味期限は、ほとんどの場合おいしさの見積もりであって、安全の上限ではありません。膨らみなど異常のない未開封の缶であれば、その日付を何年か過ぎていても、実際には問題なく食べられることが多いです。静かに変化していくのはおいしさや見た目であって、安全性ではないからです。ある缶が「大丈夫」から「大丈夫ではない」に変わる本当の分かれ目は、カレンダーとはほとんど関係がありません。密封そのものが保たれているかどうかであり、それは印刷された数字ではなく、缶自身の形が教えてくれます。

缶詰は容器である以前に、ひとつの保存技術

缶は、金属の蓋がついた瓶のようなものではありません。中身は缶に詰められたあと、傷みや危険の原因になる菌を十分に死滅させるだけの熱と圧力を加えられ、熱いうちに密封されます。これによって、外の空気に触れる機会が二度となくなります。「先に加熱処理をして、そのあと完全に密封する」というこの組み合わせが、缶詰を単なる冷蔵食品とは根本的に違うものにしています。冷蔵庫は菌の増える速度を遅くするだけですが、正しく処理され密封が保たれている缶は、食材が新しい菌に触れる機会そのものをなくします。だからこそ缶詰は、ほかのほとんどの食品が無理な常温の戸棚でも、安心して置いておけるのです。

これが、缶詰の日付が牛乳パックや鶏肉パックの日付とはまったく違う振る舞いをする理由でもあります。牛乳や鶏肉は、冷蔵庫の中でもゆっくりとした生物学的な変化が進み続けています。手つかずのまま密封されている缶詰は、ほとんどそうではありません。日付が見積もろうとしているのは、もっと穏やかな時計のほうです。

では、あの日付は実際に何を見積もっているのか

主に食感、色、風味が、日単位ではなく年単位でゆっくりと変化していく部分です。缶の中の野菜は、開けたての状態よりさらに柔らかくなることがあります。色が少し褪せることもあります。特に酸性の強い中身では、味にわずかに金属っぽさが混じってくることもあります。これらはどれも安全性の問題ではなく、メーカーが「この品質を保証できる」と言い切れる期間の見積もりです。それは「実際にいつまで安全か」よりも控えめな数字になっていて、このサイトのほかの賞味期限の記事で出てくるずれと同じものです。その日付を1〜2年過ぎた缶は、たいてい問題なく食べられます。ただ、最初の日ほどの風味ではなくなっているかもしれません、というだけのことです。

酸性度によって、この変化の速さは変わります。トマト、パイナップル、酢漬けの野菜といった酸味の強い缶詰は、豆やコーン、味付けなしの缶詰野菜のような低酸性のものより品質が落ちやすい傾向があります。長い年月のあいだに、酸が缶の内側のコーティングとより活発に反応するためです。同じ週に買ったトマト缶とひよこ豆の缶で印刷されている賞味期限がよく違うのは、構造としては同じ種類の製品であっても、このためです。

本当に確認すべきは日付ではなく、缶そのもの

ここで実際に覚えておく価値があるのは、密封が失われた缶と、単に印刷された日付を過ぎただけの缶は、まったく別の状況だということです。ラベルに何と書いてあっても、この二つは分けて考える必要があります。戸棚の奥に長く置かれていたものを開ける前に、次の点を確認する価値があります。

  • 蓋や底が膨らんで、ドーム状になっている。正常な缶は平らなはずです。両端が内側から押し出されているのは、中で何かが進行しているサインで、これはおいしさの問題ではありません。開けずにそのまま処分する理由になります。
  • 表面ではなく、金属を貫通しているさび。湿った棚が原因の軽い表面のさびは、たいてい見た目だけの問題です。くぼみができていたり、貫通しているさびは話が別で、密封がすでに保たれていないことを意味します。
  • 接ぎ目からの液漏れ。縁や接ぎ目のあたりに湿り気があれば、密封が破れているということで、常温で安全に保存できていた前提そのものが崩れます。
  • 開けたときのシュッという音、噴き出し、泡立ち。本来は炭酸を含まない安定した食品であるはずの缶詰が、こうした反応を示すべきではありません。中で何かが活発に進行していた、もっともわかりやすいサインです。
  • 深く鋭いへこみ、特に缶の側面ではなく接ぎ目や縁にあるもの。缶の側面中央にある浅いへこみは、ほとんどの場合問題ありません。接ぎ目にかかるへこみは、見た目には問題なさそうでも、密封にとって構造的なリスクになります。

これらのどれか一つでも当てはまれば、印刷された日付がどれだけ新しくても、味見をせずに処分してください。どれにも当てはまらず、ただ日付を過ぎているだけの缶は、まったく別の、たいていは気にする必要のない状況です。

開けた瞬間、時計はまったく別のものになる

ここまでの話は、缶が密封されたままである間だけ成り立ちます。開けた瞬間、缶詰は調理済みでそのまま食べられるほかの作り置きと同じ、短い時計に切り替わります。冷蔵庫で数日、しかも缶のままではなく、きちんとした容器に移して。密封がもたらしていた何年分もの安定は、封を切ったその瞬間に終わります。未開封のときの振る舞いがあまりに違うからこそ、この切り替わりは覚えておく価値があります。

缶詰をはじめとする常温保存の戸棚食品は、うっかり買いすぎてしまいやすい食品でもあります。密封された缶は、棚を見ただけでは変化がまったくわからないので、「ひよこ豆はもう家にあるか」はスーパーの棚の前に立ったときにはっきり答えるのが難しい問いで、足りないリスクを冒すより、もう一缶買ってしまうほうが安心に感じられます。Munch は戸棚の食品も冷蔵庫や冷凍庫と同じように記録します。何を、いくつ、いつ入れたかが家族全員に共有されるので、3缶目のひよこ豆がほかの2缶の隣に並ぶ前に、その問いにはすでに答えが出ています。

蓋に印刷された数字は、もともとここで信じるべきものではありませんでした。缶の密封は保たれているか、いないかのどちらかで、それは手に取って数秒あれば確かめられます。日付を確認する必要はありません。